このような悩みを解決する記事となっています。
話していて自分の考えが伝わらなくて、もどかしい思いをした経験は誰にでもあるでしょう。
話し上手を自覚する人でも、全員に上手く伝えることはなかなか難しい。
一方で、口下手を自覚する人であっても、家族や親しい友人には自分の話をちゃんと伝えることができたりします。
つまり、伝える相手によって伝わり方が違うということです。
伝わりやすい話し方について書かれている本はよく見かけます。
でも、話の受け取り手がいる以上、万人に通用する話し方のテクニックというのはなかなかありません。
どんな人にも伝えられる話し方がマスターできたら、かなり役立ちますよね。
今回は、このどんな人にでも伝えられる話し方についてご紹介します。
岡田斗司夫氏は著書の『頭の回転が速い人の話し方』の中で、どんな人にも伝わる話し方について「ユニバーサル・トーク」と名付けています。
・なぜ伝える相手によって伝わり方が違うのか
・どんな人にも伝わる話し方(ユニバーサル・トーク)について
誰にでも話が伝わる「ユニバーサルトーク」の考え方
なぜあなたの話は伝わらないのか?
話し方といっても色々あります。
・営業トーク
・大勢の前で話す
・異性と話す
全部の話し方が一緒でいいわけないですよね。
つまり、こういう個別の話し方のスキルやテクニックは小手先でしかありません。
あと勘違いしてはいけないのは、おしゃべりが伝え上手というわけではない。
ベラベラ口が回るからといって、相手に伝わってなかったら意味はないですよね。
話しが上手いとかトークスキルがあるっていうのは、誰にでも伝えられるかっていうことです。
だから、誰にでも伝わる話し方と伝え方が大切です。
岡田斗司夫氏は「ユニバーサル・トーク」という造語を作られています。
ユニバーサル=一般的・普遍的・世界的
誰にでも伝わる話し方というのが、ユニバーサル・トークです。
ユニバーサル・トークとは
ユニバーサル・トークは2つの対立軸から考えます。
・伝え上手(出力) ⇔ 受け取り上手(入力)
・家族的社交 ⇔ 公共的社交
分かりやすい図がありますので、以下をご覧ください。
横軸:特定少数⇔不特定多数に向けたコミュニケーションで広さを示す
縦軸:コミュニケーションの出入力を示す
伝え上手と受け取り上手の関係
伝え上手と受け取り上手はトレードオフの関係にあります。
基本的には、どちらかが強い場合はどちらかが弱くなりやすい。
・自分の話ばっかりして相手の話を聞かない
・相手の話ばっかり聞いて自分の意見をいわない
どちらかだけではダメで、相手や状況に応じて変化させることが大切です。
・相手が話しにくそうなら、自分から話題を振って話す
・相手が話を聞いてほしそうなら、自分は聞き役に徹する
◎出入力を上手くコントロールできる人 = コミュニケーションが上手い
家族型社交と公共型社交の関係
周りからみたら意味不明でも、当人同士では伝わるコミュニケーションってありますよね。
いわゆる「ツーと言えばカーで伝わる」ものです。
家族や親友同士だったら全てを語らなくても伝わります。
岡田斗司夫氏は、こういうコミュニケーションを「家族型社交」と分類しています。
家族型社交は狭くて深くなりやすい特徴があります。
最小限のコミュニケーションで伝わる関係性って憧れますよね。
ただ、現代社会では公共型社交が求められ、家族型社交は求められる範囲が狭くなってきています。
生涯地元で過ごす田舎暮らしの人は、交友関係が変わらないので家族型社交が重宝されます。
現代ではネットも発達し、一つのコミュニティだけじゃなく、複数のコミュニティに所属したり交友関係も変化します。
そんな中では、地元だけで伝わるようなコミュニケーションは成立しません。
ネットやSNSをするのが当たり前になり、当人同士の家族型社交だけでは通用しなくなってきています。
これまでは仲間内のノリでやっていたことが、ネットで拡散され問題になったケースもよく耳にしますよね。
色んな人の目に触れるようになったことで、公共型社交を意識しないといけなくなってきています。
自分のトークスタイルのポジションを知ろう
人それぞれ得意領域が異なります。
万人受けする話し方が得意な人もいれば、特定の領域の人にだけ伝わる話し方が得意な人もいます。
有名人の実例を下記に示します。
中央に位置する明石家さんまは、究極のオールラウンダーですね。
一方で、公共型社交の達人は池上彰氏です。
難しい話を万人に伝わるように話すスキルはすごいですよね。
まずは自分の得意不得意を知ることが大切です。
そのうえで、相手と状況に応じて、使いわけられることがカギです。
若者は家族型社交でコミュニケーションをとろうとしてるけど、高齢者に合わせた話し方にしないと伝わりません。
公共型社交と家族型社交の間のゆがみが意思疎通を阻害している一例です。
ユニバーサル・トークはこのズレを埋めるという話し方の概念になります。
意見が通り共感されやすくなる方法
ここまではは、ユニバーサル・トークの概念を伝えました。
ここからは、ユニバーサル・トークの実際に入っていきます。
なぜあなたの意見は共感されないのか?
あなたの意見が共感されない理由は、「相手の立場や考えを理解せずに自分の意見を伝えようとするから」です。
自分の意見に共感してもらおうと、論理立てて何とか説明したりしますよね。
でも、それではダメです。
相手の立場や考えを無視していることになります。
多くの話し方スキルやテクニックは、「自分の意見を正当化されること」に焦点が当てられています。
一方で、ユニバーサル・トークでは「誰にでも分かるように伝わる話し方」を重視しています。
そのためには、意見を伝えるのではなくまず相手を理解することです。
ポジショニングマップで立ち位置を明確に
一つの話題に対して、自分と相手の立ち位置を明確にすることが大切です。
同じ立場同士なら、話は通じやすく簡単です。
もし違う立場や考え方なら、自分の意見を押し通そうとしても伝わりません。
お互いの立ち位置を明確にするには、ポジショニングマップが分かりやすい。
下記に示します。
【ポジショニングマップ活用方法】
・2つの対立軸から考える
・自分のポジションと相手のポジションを把握
図の例でいうと、ある話題があったときに、積極的な賛成ならAになります。
一方で、消極的な反対ならDとなります。
この対立軸は話題によって変わるので、まずは対立軸を決めます。
そして、自分と相手がどこに位置するのか知ることが始まりです。
相手の意見を受け入れ共感することから始まる
A同士であれば話は簡単ですが、AとDであれば同じようにはいきません。
お互いの意見をぶつけ合えば、言い負かした方が勝ちみたいな論争になってしまいます。
それでは、勝った方は意見を押し通せるかもしれないけど、負けた方は納得できません。
これでは建設的な意見やコミュニケーションとはなりません。
ではどうすべきでしょうか?
自分の意見を押し通さず、まず以下を行うこと。
・相手の立場に立つこと
・対立する意見でもまずは共感する
意見を通すのではなく再構築していく
自分の意見はいったんおいておきます。
相手の立場にたち共感したうえで、新たな考えを再構築していくことが大切です。
下の図で考えていきます。
あなたがDとした場合
A、B、Cの意見に共感したうえで、その意見を再構築します。
「確かにAも分かるよ(共感)。A’だもんね(再構築)」
「確かにBも分かるよ(共感)。B’だもんね(再構築)」
「確かにCも分かるよ(共感)。C’だもんね(再構築)」
「AとBとCの考え方もよく分かる。だから、それぞれの主張を取り入れながら、D’の方向性を探るのはどうだろうか?あるいはEという方向もあるよね。」
これが、ユニバーサル・トークです。
みんなの意見をとりいれて再構築して、ひっくるめた答えをつくります。
周りの人たちとの会話を重視して、そこで出た結論をみんなの結論にしちゃうわけです。
ユニバーサル・トークだと以下のような利点があります。
・みんなの意見が取り入れられているのでみんなが納得する
・対立していたポジションのはずが自分の仲間になってくれる
まとめ【ユニバーサル・トークが会話術の基本】
世の中の話し方本には、話し方のテクニックやスキルが書かれている本はよくあります。
ただ、話し方のテクニックやスキルは、幹ではなく枝葉です。
もちろん、伝わりやすくするには必要なことです。
でも、本当に大切な根幹をないがしろにしていては元も子もない。
話し方を改善しようと思うなら、まずは幹の部分を大切にすることです。
それは、「誰にでも伝わる話し方=ユニバーサル・トーク」をマスターすること。
コレなくしては始まりません。
自分の意見が共感されない。
自分の考えがうまく伝わらない。
このような方には、岡田斗司夫氏の著書「頭の回転が速い話し方」を読んでみることをオススメします。
小手先の話し方のテクニックとか読んでてもダメですよ!
それでは、また!