このように理学療法士を理学療養士と間違われることも多かった。
僕が働き始めた頃は10年以上前なので、実際にまだまだ認知度はかなり低かったです。
最近は理学療法士の認知度が高くなってきていることは実際に実感します。
ただ、実際の仕事内容がイメージつく方はあまりいないかと思います。
理学療法士の仕事内容や給料や将来性などもお伝えします。
僕自身がどんな風に働いているのか嘘偽りなくご紹介しますね。
これから理学療法士になろうと考えている人の参考になれば嬉しいです。
・理学療法士の現状
・理学療法士の今後の展望
・理学療法士がどんな仕事か知りたい人
・理学療法士をこれから目指す人
・現役理学療法士からみた理学療法士の現実を知りたい人
理学療法士の現状【合格率や合格者数は?】
現在は、毎年1万人前後が国家試験に通って理学療法士免許を取得してる状況です。
当然、毎年理学療法士人口は増えています。
少子高齢化社会を迎える日本において、今後も必要な職業ではあります。
ただ、このまま増加していくと、いずれ需要と供給が逆転することでしょう。
以下、日本理学療法士協会HPより改変引用
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | 合格累計(人) | |
平成24年度 | 11956 | 9850 | 82.4 | 100560 |
平成25年度 | 11391 | 10104 | 88.7 | 110664 |
平成26年度 | 13719 | 9315 | 83.7 | 119979 |
平成27年度 | 12035 | 9952 | 82.7 | 129931 |
平成28年度 | 12515 | 9272 | 74.1 | 139203 |
平成29年度 | 13719 | 12388 | 90.0 | 151591 |
平成30年度 | 12148 | 9885 | 81.0 | 161476 |
平成31年度 | 12605 | 10809 | 86.0 | 172285 |
令和2年度 | 12283 | 10608 | 86.0 | 182893 |
現在は18万人以上が理学療法士の資格を取得していることがわかります。
最近では、実際にSNSや飲み会などで偶然理学療法士と知り合うこともあります。
職種を伝えても知っている人がほとんどで、職業の認知度としても高くなっているのは実感します。
理学療法士になる方法と僕の実体験
理学療法士の資格を取得するためには
理学療法士は国家資格です。
国家試験を通らないと免許の取得はできません。
国家試験の受験するには条件があります。
【国家試験の受験の条件】
・理学療法学科などの養成課程のある大学・短大・専門学校を卒業
僕が理学療法士を志したきっかけ
僕が理学療法士を志した10数年前は、理学療法士という職業はほとんど知られていませんでした。
当然家族も友達も知らないし、テレビや本でも理学療法士という言葉さえみかけなかった。
僕は高校生の当時、看護師になろうと思っていました。
職業体験の参加者が10人ぐらいいたなか、僕以外全員女の子でした。
そのときに、こんな女性社会でやっていけないと高校生ながら思わされました笑
看護師の見学がメインでしたが、空き時間でリハビリテーション科も見学させてもらいました。
そのときに理学療法士の方の話をきいて、「やりがいありそう!なりたい!」と思ったのが始まりです。
理学療法学科のある大学や養成校へ入学
僕が高校3年だった当時は、理学療法学科のある大学は国公立大学以外ほとんどありませんでした。
どうせなら大学の方がいいだろうと、専門学校ではなく大学を希望していました。
ただ、当時は私大の倍率は10~40倍とかでした。
進学校ではありましたが、勉強をおろそかにしていた僕は受かるはずもないだろうと半ば諦めていました。
落ちたら来年国公立大学受験したらいいやと思い、一応現役で私大を受けようかな程度のノリで受験しました。
そしたら、予想外に合格しちゃって現役で大学に通うことに。
学費面ではかなり大変でした。
浪人して国公立受かる保証もないし、今となっては現役で入学できてよかったと思っています。
今は理学療法学科のある大学がかなり増えています。
定員割れするところもあるぐらいと聞きます。
選ばなければ理学療法学科のある大学も全然難しくないとは思います。
理学療法士として働くうえでは、専門学校卒と大学卒かはほぼ関係ありません。
将来大学院に行って研究や教員を目指すなら別ですが、それ以外では世間体ぐらいしかメリットはないと思います。
理学療法学科は授業料などの学費が高い
医療系なので学費がとにかく高い。
実習用の特殊な機器などもいっぱいあるから、教育充実費とかで結構とられるんですね。
長期実習があったりもするから、諸費用とかも色々あったりするんですね。
学費は年間150万円×4=600万円ぐらいはかかったと記憶してます。
奨学金は月10万円×4年=480万円借りました。
奨学金という名の学生借金です・・・
貧しい家庭だったので、学費や生活費はほぼ自分で捻出しないといけなかったので結構大変でした。
アルバイトをして学費を捻出していました。
小遣いはほとんどなかったですね。
あと、医学書は専門書なので本代がめちゃくちゃかかります。
1冊で5000円~1万円とかもザラです。
本の金銭感覚もおかしくなります。
今でも、理学療法関連の本で2000円代ぐらいでも安っ!と思ってしまいます笑
とにかく金銭面に関しては、親からの援助がないとかなり大変だと思います。
理学療法学科の授業は大変?
僕の場合は大学だったので、1回生ではほとんど教養科目なんですね。
結構テキトーにこなしてました笑
パソコンの授業だけはめちゃくちゃ役立ちましたね。
当時大学入学するまでパソコンを触ったことすらなかったので。
フロッピーディスクからUSBに変わり始めた時代でしたね笑
2回生~3回生は専門科目が中心になります。
解剖学などで人体についてひたすら暗記したり、実技で触診の練習をしたり。
レポートも多くて実技の試験もあったりで、結構勉強は大変です。
ただ、やりたかった医学を勉強するのは楽しかったですね。
病院実習は厳しい?寝れない?
3回生は3週間の病院実習ですが、4回生になると2ヵ月の病院実習が2回あります。
地方に飛ばされることもありますが、実習中のマンスリーマンションとかも大学側が手配してくれます。
10年以上前の病院実習は本当に地獄でした。
2ヵ月の長期実習でハズレの病院に当たってしまうと大変なことになります。
病院によっては、暴言で人格否定されることもあるし、2~3時間睡眠とか徹夜も当たり前だったりしました。
完全に体育会系でした。
メンタル病んで実習中止になる子とかもいましたね。
僕より古い世代だと病院に泊まり込みとかも珍しくなかったらしいですし。
ただ、最近はそういったパワハラをする病院はなくなっていると思います。
少し前に実習を苦にして、命を絶ってしまったことがあったんですね。
それが問題になって今では、学校側も病院側も学生に対する扱いにめちゃくちゃ注意するようになっています。
逆に腫れ物に触るように丁寧に扱われると思います。
年々そういう体育会系の実習はなくなりつつあったんですが、その出来事以来かなり厳しくなったので、今の学生は安心してください。
今はめちゃくちゃ実習はイージーモードになってますので。
卒業研究や国家試験の勉強は大変?
4回生になるとゼミでの卒業研究だけで授業はほとんどありませんでしたね。
就活もそんなに必要ないから実習を終えたら結構余裕でしたね。
マークシート形式だし、当時は国家試験もほぼ90%後半とかで、落ちるほうが珍しかったですからね。
国家試験の勉強もほぼ12~1月からの1~2ヵ月ぐらいしか、ちゃんとやってなかったんじゃないかな。
今は合格率が80%前後の年もあるみたいですし、大変かもしれないですね、、、
授業や実習などの困難を乗り越えて卒業したのに、国家試験に落ちて来年まで理学療法士として正式に働けないとか悲惨でしかない。
僕が国家試験受けたときは発表がめちゃくちゃ遅かったんですね。
病院に入職して1週間経ったぐらいに発表されてましたからね。
そこで落ちたのが分かったら、最初の1週間の入職オリエンテーションを受けただけで辞めることになるってこともあったなぁ笑
実際の理学療法士の仕事内容について
理学療法士はきつい?頭がよくないとダメ?
肉体労働、頭脳労働、精神労働のすべてが必要になる仕事かなと思います。
肉体労働:患者さんの介助、徒手療法
頭脳労働:日々の臨床での思考、論文や学会発表
精神労働:患者さんに寄り添って共感する
病院やクリニックや施設など環境によってバランスは違いますが、基本的にはどれかだけということないかな。
3つの労働バランスが自分にあった職場を選ばないと疲弊しちゃうと思います。
デスクワークだけとか、肉体労働だけとか、精神労働だけとかの仕事に比べるときつくないんじゃないかなと個人的には感じてますね。
たまに研修会とかで1日座ってたり、遠出して車4時間運転するとかめちゃくちゃ疲れるから、デスクワークの会社員や運送業の大変さは自分には無理だなと思ったりします。
あと、やりがいがあるので多少大変なことがあっても続けられますね。
サービス提供側が感謝される仕事って、医療職以外にはそうないですからね。
ほとんどの職種ってサービス提供側じゃなくてお客様側にサービスを購入してもらって感謝する側になりますもんね。
患者さんがよくなって達成感ややりがいを感じられる。
さらに感謝されて給料ももらえるって最高じゃないですか!?
理学療法士の年齢層や男女比は?
理学療法士全体の平均が30代前半ぐらいです。
職場によって違いますが、どこの病院も20代~30代前半が5割~7割ぐらい占めているんじゃないかなという印象です。
男女比は全体的には男:女=6:4ぐらいですね。
もう少し女性の方が少ない印象がありますが、出産や育休で休んでいる人も多いからかな。
理学療法士と作業療法士の仕事内容の違いって?
理学療法士:基本的動作能力(歩行など)の改善を図るために介入
作業療法士:作業活動を通じて応用的動作能力の改善を図るために介入
昔は、理学療法士は脚で、作業療法士は腕と住み分けしてる病院もありました。
でも今は、それぞれが多様化してお互い重なりあってカバーしている感じですね。
理学療法士が手をみたり作業活動に関わったりすることもあるし、作業療法士がスポーツ障害をみたりすることもありますしね。
免許を取得してからどう働くかが大切だと思います。
理学療法士の給料や将来性ややりがい
理学療法士の給料は平均的?多い?少ない?
病院や施設にもよりますが、だいたい年収450万円前後ぐらいが多いかなと思います。
経験年数にもよりますが500万円以上であれば多い方です。
公務員や一般企業と比べると20代前半では比較的もらってる方に入るかもしれません。
ただ、昇給は微々たるものなので、20代後半以降は一般企業で昇給ガンガンしていく人たちに抜かれちゃいます笑
訪問リハに従事していれば、どれだけ件数をこなすかにもよりますが、600~700万円程度もらっている人もいるみたいですね。
あとは、実績が必要なのでなかなか少ないですが、教員として働いたり研修会などを行ってるような方々はもっともらっているかと思います。
理学療法士の今後の将来性は?
これから少子高齢化社会を迎えるうえで、理学療法士は需要はあります。
ただ、今までのように病院の中だけの限られた範囲では限界があります。
今後、病院以外の地域などでの活動など、職域は広がっていくんじゃないかな。
どう働きかけていくかによるとは思いますが、、、
理学療法士の政治力やビジネス力はかなり弱いですから、それ次第かもしれません。
理学療法士のスキルや知識は世間的には需要はあるので、どう活かしていけるかによるかもしれませんね。
AIには代わりを務めることのできない将来性のある仕事だとは思います。
理学療法士はやりがいがあり面白い仕事
知識欲があったり人間に興味のある方にはおもしろい仕事だと思います。
人に興味があるかどうかは大事な要素です。
これだけ1人の患者さんと向き合う時間が長くて、深い関わりができる医療職は他にないですからね。
リハビリでは毎日1時間以上1人の患者さんに関わったりするけど、医師や看護師ではそうはいかないです。
個人的には、やりがいがあっておもしろい職業だし、生涯をささげてもいいと思える職業です。
まとめ【理学療法士はやりがいがあって生涯を捧げられる職業】
最後まで読んでいただきありがとうございます。
僕個人の経験や考えなので、理学療法士ってこんなもんなのかなぁぐらいに話半分で思ってもらえればと思います。
養成校のときの話なんかは今はかなり様変わりしてるかもしれないです。
理学療法士の仕事に興味ある人に少しでも参考になればうれしいなと思います。
それでは、また!