こんにちは!
最近はサブスクが浸透して、自宅で気軽に映画が観られる時代になりましたね。
・Amazonプライムで年間映画50本以上
・映画館には月に1回以上
そんな僕が観た映画を備忘録として記事にしていきます。
今回観た映画は「ぼけますから、よろしくお願いします」
ドキュメンタリー映画で、テレビ制作ディレクターである娘が、認知症になりつつある母親のリアルを娘視点から映像にした作品。
今までドキュメンタリー映画は観たことなかったですが、ノンフィクションであるというのはリアルがあっていいですね。
僕自身映画を観て色々考えさせられるところがありました。
【本記事の内容】
・「ぼけますから、よろしくお願いします」の感想、レビュー
・映画を観て感じたこと【認知症、夫婦、親子について】
認知症ってなんだろう?
そんな風に漠然としたイメージしかない人は、実際のリアルを知ることができる映画になっているんじゃないでしょうか。
・認知症の家族を持つ人
・認知症について理解を深めたい人
「ぼけますから、よろしくお願いします」の感想、レビュー
ドキュメンタリーでテレビでやってたのをチラッと観たことがあったんですね。
それで映画になることを知って、「観たいなぁ」と思ってたんです。
そうしたらAmazonプライム・ビデオで無料で視聴できるというのを知って観てみました。
映画の総合評価
総合評価で★4.5はなかなかないですね。
この映画が嘘偽りない本当のリアルであることが評価につながっていると思います。
どれだけ優れた映像作品にも出せない部分が、リアルにはあります。
映画のレビュー
Amazonのレビューで役に立った人数が多いものから5つ参考にのせておきます。
81歳の方の視点からのレビュー、娘視点からのレビュー、50代夫婦の視点からのレビューなどそれぞれの視点によって色々な捉え方がありますね。
映画のあらすじ
広島県呉市で老夫婦が二人暮らしをしている。
長女が久しぶりに両親の元を訪ねたときに、母親のちょっとした変化に気づく。
父も気づいているようで娘に心配をかけまいと自分で何とかしようとしていた。
そんななか母は自分がおかしいことに少しずつ気づき始める。
そんな初期の認知症からのリアルな日常を、テレビディレクターである実の娘が、ビデオカメラを回し続けたドキュメンタリー作品。
そこには取り繕った見せかけの映像ではなく、ただリアルが存在していた。
※気になった方は公式サイトもご参照いただければ
僕の映画の感想
どんな素晴らしい心を打つ物語にもない、リアルにしかない良さってあると思っています。
ドキュメンタリー作品であり、実際の日常生活を送っている老夫婦をカメラにおさめ続けているからこそ撮れる映像。
どんな役者が演じても表現できない何かがそこにはある。
その何かは言葉では説明できないような何かであるかもしれない。
それぐらい作品を観た僕にも言葉にできない複雑な感情が色々湧いてきた。
順に自分なりに映画から感じたことを考察していきたい。
映画を観て感じたこと【認知症、夫婦、親子について】
認知症がどういうものか何となく知識として知っているという人は多いかと思います。
それはメディアからのイメージであったりがほとんど。
でも多くのメディアが伝える認知症は、フィクションなんですよね。
今作のようなドキュメンタリー作品を観ると、改めてノンフィクションの力を感じます。
どんな名役者をしてもリアルには勝てない。
リアルな作品だからこそ感じられる部分も多い。
【認知症について】表面的な知識やイメージと実際は違う
認知症のイメージ
・物忘れがひどくなり自分の子供のこともわからなくなる
・感情の起伏が激しくなったり性格が変わる
・徘徊したり変な行動が増える
認知症のイメージってこんな漠然とした感じじゃないでしょうか。
でも実際って人によって千差万別なんですよね。
いきなり出てくるものでもなくて徐々に強くなっていくものだし、人によって強く出る部分と出ない部分もある。
「認知症ってこんな感じだよね」って一括にはできない。
僕自身も医療関係の職種で認知症患者と関わることも多いので、人よりは理解しているつもりだった。
でも映画を観ていて、やっぱり「わかっているつもり」でしかなかったことに気付かされました。
病院の中のことしか見ていないから実際の家庭生活ではイメージがついていなかった。
あとは病院では何かあればいくとこまでいっちゃう前に手助けするから、見えない部分って多くあるんですよね。
認知症に徐々に気づきつつある娘、自分で何が起こっているか分からないけど何かがおかしいと感じている母。
元々が達者であった母であっただけに、その日々の移り変わりでの変化がリアル。
本人や周囲の葛藤や心境の変化も伝わってくる。
認知症の本当の部分って、医療職種より家族が一番分かっているというところになるんでしょうね。
【夫婦愛について】老々介護の現実を知る
難聴の父と認知症の母。
父は何とか妻の面倒をみようと年老いた体にムチを打っている。
そんな中で、お互いのコミュニケーションが上手くいかず、衝突するところがみていて何とも言えなくなる。
「じゃまになるなら死にたい」という母に対して、強い口調で「それなら死ね」という父。
どんどん認知症が進み洗濯物もできなくなり洗濯物の途中で分からなくなり床に寝る母。
そこをトイレのためにまたいで通る父。
映像の各所でお互いの夫婦愛が感じら、夫婦のあり方が垣間見える。
作られた物語では決してこんな映像はとれない。
でもそこにはリアルが存在する。
高齢化社会を迎える日本においては、老々介護の現実は僕らの想像も及ばない大変なところがあるんだろうと考えさせられます。
【親子について】お互いの親子愛や絆が感じられる
僕が娘の立場になって考えたら、自分の両親の年老いた生き様をここまで映像におさめることができるだろうか。
いや・・・なかなかできない。
そこにはテレビディレクターである直子さんの仕事に対するプロ魂があったんだと思う。
両親が困っている場面をみれば手助けしたくなるはず。
そこをグッと我慢してギリギリのところまでカメラを回し続ける。
そこには仕事に対する真摯な姿勢を感じざるをえない。
人によっては薄情に感じるかもしれない。
でも直子さんが取ろうとしているリアルな作品ではそうするしかない。
そして父も娘の仕事の成功を何より一番に想っているのが伝わってくる。
直子さんが若くして乳癌になったときの映像もあるんですが、そこで母に支えられていたのが根底に残っている。
だから何があっても直子さんは母を助けてあげようと想っている。
そこの親子の絆もすごく感じられる。
こんな親子愛や絆を感じられるから成立する作品なんだと思います。
まとめ【認知症を通じて親子愛・夫婦愛や絆を感じられる作品】
普段なかなかこういったドキュメンタリー映画をみることってないですが、ノンフィクションの良さを感じました。
認知症の現実を知るためにはこの映画を観てみるっていうのはいいと思います。
本やテレビなどのメディアでの知識だけではイメージつかないところもつくので。
これも認知症の老々介護の一例でしかないとは思うんですけどね。
ただ認知症の母をカメラにおさめたというだけではなくて、そこに親子愛や夫婦愛や絆が感じられるからいい。
個人的には観て良かった作品でしたね。
気になった方はぜひ観てみてください。
それでは、また!