このような悩みを解決する記事となっています。
実はこれは不思議なことでも何でもなくて、意識して行動しなければ誰でも起こりえることで、ある意味必然的なことなんです。
人間の性質を理解していれば、なぜいつも期日ギリギリになったり間に合わないのか分かります。
期日や時間を守るためには、その性質をよく認識をしてゆとりをもって準備するしかありません。
・期日に間に合わない原因
・期日を守るためには
なぜ人は余裕のある期日に間に合わないのか
上司からある仕事を任せられたとします。
あなたは期日までに仕事を終えるためにはどの程度の時間を要しそうか、過去の経験や仕事量を見積もって予測します。
間に合わなかったらまずいので、当然多少のゆとりをもって伝えます。
ですが蓋をあけてみると、約束の期日まであと3日しかないのに7割しか終わっていない。
このままのペースでいくと3週間かかる計算になってしまう。
これはまずいと思って、必死に残業をして寝る間を惜しんで何とか期日には間に合わせることはできた。
でも、質は落ちて納得したものを見せることができなかった。
なぜこのようなことになってしまったのでしょうか?
これに近い経験は誰しもあるのではないでしょうか。
約束の期日や時間を守れない原因
ではなぜこのような約束の期日にギリギリになったり間に合わないということが起こってしまうのでしょうか?
こういったことは決して珍しいことではありません。
仕事の見積もりが甘すぎて、いざやってみると締め切りに間に合わなかったり、ギリギリになることがあります。
これを、計画錯誤(プランニング・ファラシー)といいます。
これにはいくつかの原因がありますが、誰しもが多少は持っている人間の性質的なところも要因となっています。
以下の3つが主な要因といえます。
①希望的観測に基づいて予測してしまう
②不測の事態を考えずに予測してしまう
③周囲によくみられたいため早く見積もりを伝えてしまう
【期日に間に合わない理由①】希望的観測に基づいて予測してしまう
機械と違ってわたしたち人間は常に一定のパフォーマンスを発揮することはできません。
体調やモチベーションなど日々の些細なことで仕事の効率は変わってきます。
人によってそれが平均の70~130%だったり、30~200%だったり変動幅は違いますが、誰でも波はあって当然です。
しかし、こういった期日の予測をするときに人は希望的観測をしてしまいがちです。
自分の持っている最大限の能力を発揮できた場合や、平均以上の能力を発揮した場合を想定して予測してしまいます。
ある実験をご紹介します。
37人の学生に対し、卒業論文の執筆に何日間かかるかという質問をしました。
「すべてがうまくいった場合」の見積もりは、平均で27.4日間。
「何もかもうまくいかなかった場合」の見積もりは、平均で48.6日間。
ところが、実際に執筆にかかった平均時間は55.5日間だった。
最悪の場合の見積もりを越えていました。
当初予想した時間内で終わらせた学生は、たった3割という結果でした。
人は自分が予想している以上に、遥かに楽観的に目標設定してしまう可能性が示唆されていますね。
【期日に間に合わない理由②】不測の事態を考慮せずに予測を立ててしまう
全てが予測通りにいくことはまずありません。
ちょっとしたトラブルや不測の事態が起こることはつきもの。
体調を崩すことがあるかもしれないし、急ぎの用事ができることもあるかもしれない。
トラブルや不測の事態は、大なり小なり起こるものとして考えておくことが大切です。
それを予定に組み込んでおかないと、途端ににっちもさっちもいかなくなってしまいます。
何か不測の事態が起こっても対処ができる程度の余裕をもっておきましょう。
【期日に間に合わない理由③】周囲の評価を得たいために厳しめの期日で伝えてしまう
期日の予測を伝えるときにも誤差が生じる原因があります。
周囲の人の期待を裏切りたくないとか評価を得たいという気持ちから、厳しめの期日を伝えてしまうことです。
本来自分が予測した期日であれば、もう少し余裕をもった設定にしたいはずです。
そこを、頑張れば何とかなるかなというギリギリの期日に書き換えて伝えてしまいます。
匿名で期日の見積もりをさせた場合には、計画錯誤(期日の予測の見積もりのズレ)が起こらなかったという報告もあります。
つまり、自分の期日の見積もりが周囲に知られる場合にだけ、実際より早くできるといってしまうということです。
簡単にいえば、見栄をはってしまうということですね。
できるといってた期日を過ぎてしまうことの方が信用を失うのだから、そのリスクを考えれば遅めに伝えたほうがいいはずなんですけどね・・・
理屈では明らかにそうなんですけど、人間は感情の生き物なので理屈ではなく、早くできるといって周囲の評価を得たいという感情に判断が左右されてしまうんですね。
約束の期日や時間を守るための対策
ゆとりをもって準備すること
理由はどうあれ、私たちは何をするにしても、当初の想定より遅れる傾向があります。
これは、もうそういうものとして、考えるしかありません。
友達との約束の時間には遅れるし、仕事の提出物の期日は間に合わないし、支払期日も守れない。
実際にかかるであろう時間より短く見積もってしまいがちなのです。
その結果、不必要にストレスを抱えてしまったり、周囲を結局困らせることになってしまいます。
この状態から脱するには、自分が見積もった時間を、常に1.5倍に割り増して締め切りを設定することが得策です。
1.5倍だと多すぎると感じるかもしれませんが、実際にそのぐらいかかることも多いのだから仕方ありません。
遅れるよりは余裕をもって早く終わる方がまだマシです。
そうすれば、修正したりチェックをしたりして質を高める時間もとることができます。
まとめ
約束の期日や時間を守れないというのは、ある意味仕方のないことだといえます。
人間は自分の能力をフルで発揮できた場合の楽観的なプランを作成してしまうし、不測の事態が起こることなど予測しません。
ましてそれなりに適切に予測したとしても、周囲の評価を得たいがために期日を早めて伝えてしまいます。
これでは、間に合わないことがあっても何ら不思議ではありません。
約束の期日や時間を守るためには、大なり小なりこういった性質が人間の根本に存在していることを認識し、それを踏まえたうえでの期日設定をするしかありません。
自分が実際に予測した期日より1.5倍長めに締め切りを設定することで、間に合う確率は大幅に増えることでしょう。
時間的なゆとりがあって初めて質を高めることができます。
間に合わないことが一番の問題であり、まずはそこをクリアすることが先決です。
そこから質を高めるところへシフトしていきましょう。
そうすれば約束の期日を守り、質も高い結果を出すことができ、周囲の評価も得ることができるでしょう。
ぜひ、ゆとりある期日設定をするようにしていきましょう!
そして先延ばしにせずに、すぐにとりかかりましょう。
それでは、また!