このような悩みを持つ方には有用な記事となっています。
藤沢数希氏の著書「僕は愛を証明しようと思う。」という、とても興味深く面白い本があります。
その本から僕自身が学び取った内容を整理してみたいと思います。
学ぶべきところも多くとてもおもしろいので、シリーズ化し数回に渡ってまとめていきたいと思っています。
ただ、この本は男性のみしか読んではいけません。
くれぐれも女性は読まないようにお願いします。
相手からイエスをもらいたいけど、なかなかもらえなくてもどかしいことありますよね。
そんなときに使える、心理学用語で「イエスセット」といわれるテクニックがあります。
「イエスセット」を使うと、相手から「イエス」を引き出すことができます。
ただし、イエスセットを実用的に使うことは難しく、少し工夫や慣れが必要となります。
そのあたりも含めて、今日から実践できる方法に落とし込んでご紹介します。
・イエスセットを使う意味とは
・イエスセットのコツと注意点
・イエスセットの実際の活用方法
イエスセットを使う意味とは【心理学】
イエスセットとは【心理学用語の一つ】
イエスセットとは「小さなイエスを積み重ねることで、相手にイエスと言わせやすくする心理学のテクニックの一つ」
イエスセットで一番有名なものがあります。
「笑っていいとも」のタモリさんとお客さんとの最初の掛け合いです。
こんな感じで3回ぐらいイエスを引き出したあとに、最後にイエスと言いにくいようなことを言ったのに、「そうですね」と同意を得ることで笑いを生み出すというおなじみのアレです。
イエスセットが効果を発揮する理由【一貫性の法則】
【一貫性の法則】自分で決めたことや、ある立場を明確にする(コミットする)と、それに対して、最後まで一貫性をもった態度を取ろうとする傾向があるという心理法則。
・人は何度も同意していると反論しにくくなる
・人は何度も共感していると否定しにくくなる
・ある意見に肯定を示すとその意見に否定を示せなくなる
人の脳は矛盾が大嫌いです。
人は一つの立場や意見を持ったときに、一貫性をもって保ち続けようとします。
そのためには、意見や立場を貫くための言い訳を、ときには自分の中に作りあげてしまうほど強力な力が働きます。
シーソーと一緒で一度そっちに傾いたら、傾いた側から離れられなくなります。
それを崩して意見があっちこっちにブレて、一貫性を保てないことが脳にとってはストレスだからです。
つまり最初が肝心ということです。
イエスセットの効果とは
・イエスを言わせ続けることで一貫性の法則が働く
・肯定的な会話のキャッチボールがいい雰囲気を作る
・自己肯定感をくすぶることができる
前述したように、一貫性の法則を働かせることが一番の効果だといえます。
その他の効果としては、イエスセット話法では肯定的な会話のキャッチボールとなりやすいことが挙げられます。
相手はイエスを続けるので、必然的にコミュニケーションの雰囲気は良くなりやすい。
そして、肯定を引き出され続けることで、相手は自分を肯定されて認められているという感覚を得ることが出来ます。
つまり、相手の自己肯定感をくすぶってあげることで、気持ちよく会話をすることができるように促せます。
上手く使えばかなり便利なテクニックだといえますね。
コミュニケーションの達人は、理論を知らずに自然と使っている人も多いのが実情です。
イエスセットのコツと注意点
イエスと答える質問をしないといけない【イエスセットが難しい理由】
イエスセットは3〜5回程度のイエスを積み重ねると効果的と言われています。
そこで失敗しやすいのが、途中でイエスを引き出せないこと。
こういう2択の質問は、完全に運任せです。
見ていて感じると思いますが、NOばっかりを言わせると余計にNOを言いやすくさせたり、会話が楽しくなくなります。
イエスセットの効果が悪い方向に働いてしまうことになります。
イエスセット話法では、いかにイエスを続けさせるような質問を用意できるかがカギになります。
ノーと言わせないためには事実を質問すること
美容師や営業マンは天気の話題から入ることが多いのはなぜでしょうか。
実は、天気の話題こそイエスセットしやすい話題なんです。
天気は誰が見ても同じだし、否定のしようがありませんよね。
明らかに晴れているのに、否定する人はいません。
つまり、天気の話題は確実にイエスを引き出せる話題であり、汎用性が高いといえます。
こういった誰にとっても事実である話題は、イエスセットを楽に行いやすくなるため重宝します。
オウム返しでイエスを引き出す【バックトラッキング】
イエスセットの併せ技でよく使われるものに、心理学用語で「バックトラッキング」と言われるものがあります。
バックトラッキングはいわゆる「オウム返し」のことです。
オウム返しは、相手が発言したことをそのまま繰り返すこと。
バックトラッキングがいいのは、相手が発言したことなので、確実にイエスを引き出せるということです。
このとき、実際に声に出してイエスと相手が言っていなくても、潜在意識の中でイエスと返事をしているのでOKです。
逆イエスセットとは【応用テクニック】
応用テクニックになりますが、「逆イエスセット」というものも存在します。
逆イエスセットとは、相手ではなくこちらがイエスを示し続けることで、相手もイエスを返したくなることを利用したテクニック
相手の質問や意見に対して、こちらが肯定や同意の表現を続けることで、相手もイエスを言いやすくなります。
会話やコミュニケーションはキャッチボールです。
相手が捕りにくいボールを投げてきたら、こちらも捕りにくいボールを投げたくなる。
逆に相手が捕りやすいボールを投げてきてくれたら、こっちも捕りやすいボールを返したくなる。
つまり、先に自分がイエスのボールを投げ続けることで、相手もイエスのボールを自然と投げたくなるように誘導することができます。
逆イエスセットでは、言語より非言語が効果的です。
言語だと少しくどくなってしまいがちで、会話のテンポをじゃましないようにしないといけないから。
では非言語でイエスを示すのは何かというと、「相槌」「うなずき」です。
相手の言葉に「ウンウン」と、ただうなずけばいい。
そうすることで、相手もこちらからの会話に対して、イエスを返してくれる確率が高まります。
イエスセットで注意すべき点
イエスセットを使ううえで注意すべき点がいくつかあります。
・尋問のようにならないようにする【テンポよく自然に】
・話題選びが大切【相手が同意しやすい内容に】
・相手が本来イエスと言いたくないものを言わせているということ
イエスセット話法を使う時は、クローズド・クエスチョン(Yes/Noで答えられる質問)を使うことになります。
自然な会話では、オープン・クエスチョン(Yes/Noでは答えられない自由度のある質問)も間にはさみます。
つまり、イエスセット話法だけをしていると、尋問しているような印象を相手に与えてしまう可能性があります。
自然な会話の流れの中で使うように注意が必要です。
話題選びも大切です。
相手がどっちよりの意見や立場かを知っていると、イエスを引き出しやすい質問がわかります。
ただ、あまりに相手が詳しすぎる分野の話題をしてしまうと、否定を引き出してしまうことがるので注意が必要です。
最後の注意点としては、イエスセット話法は無意識に働きかけたテクニックだということ。
つまり、相手はイエスと言いたくないものに、無意識にイエスと言わせている場合もある。
相手からしたら、どこかモヤッとしたり、不快感を抱かせることもあるかもしれないことを知っておかないといけない。
多用しすぎると、相手の無意識の中に不信感や不快感を抱かせて、逆に遠ざけてしまうこともありえます。
イエスセットの具体例・事例
イエスセットを使わなかったときの失敗例
こんなふうにいきなり本命の質問をしたら、なかなか成功しません。
相手にNoをいえる余地をいきなり与えたら、そりゃNoといいますよね。
営業でイエスセットを使った具体例
ついつい営業の電話をすぐに切れずに、いつの間にか話を聞いてしまっていたという経験はないでしょうか?
もしかしたら、あなたも心理学のテクニックの犠牲になっているかもしれませんよ。
※ここでは、相手の名前を呼ぶというテクニックも使っています。
恋愛でイエスセットを使った具体例
もちろんこんな教科書的にスムーズにいくことはまれです。
ただ、イエスセットを使ったほうが、使わないより成功確率をあげることができます。
まとめ【心理学を学んでいると仕事や恋愛でときに助けになる】
僕自身は子供の頃からかなりのコミュ障でした。
だけど今は医療職で人を相手にする仕事をして10年以上になります。
毎日初対面の患者さんと関わることも普通です。
今までで軽く見積もっても5000人以上の患者さんに関わらせてもらいました。
元来コミュ障の僕がなぜこのような職業を続けられているかと言うと、心理学を大学で割とガッツリ学んでいたのも大きいと思います。
コミュニケーションの達人は、理論を知らなくても自然とできていたりします。
だけど僕の場合は、理論を学んだうえで徹底的に数をこなすことでしか克服できませんでした。
今でもコミュニケーションは得意じゃないし人見知りだけど、そんな僕が何とかコミュニケーションをとれるのは心理学のおかげです。
知っていることで救われることもある。
そんな知識を発信していきたいと思います。
くれぐれも悪用厳禁でお願いします。
それでは、また!